はじめに
「カラー図解 最新 Raspberry Piで学ぶ電子工作」は旧版である「Raspberry Piで学ぶ電子工作」の改訂版です。旧版とどのような違いがあるのか、本ページでまとめたいと思います。
なお、回路図やサンプルファイルも若干変更されていますので、旧版の解説をもとに改訂版の回路図やサンプルファイルを利用すると、解説と異なる動作をすることがあります。その点についても本ページで解説したいと思います。
そのため、旧版をお読みの方は旧版の回路図とサンプルファイルをそのまま用いるのがトラブルが少ないと言えます。
全体について
書籍全体を通して、旧版から大きく変化しているのは以下の点です。- Raspberry Pi Model B+、Raspberry Pi 2 Model B、Raspberry Pi 3 Model Bへの完全対応
旧版では、Pi 2やPi 3については補足ページによる対応でした。なお、ピンが26本の旧Raspberry Pi Model Bについては、今回は回路図を提供していませんので、旧版の回路図をご利用ください
- jessie系列のRaspbianへの完全対応
旧版では、これについても補足ページによる対応でした
- 全ページカラー化
これが最も目立つ変化かもしれません。なお、PDFで配布する回路図は、カラー版とモノクロ版の両方をダウンロードできます。
- 推奨するパーツセットの変更
前回、Arduino Sidekick Basic Kitというパーツセットを推奨しましたが、今回は秋月電子通商様に公式のパーツセットをご用意頂き、これを推奨しています。 これにより、「半固定抵抗の回転の向きの変化」、「RGBフルカラーLEDがアノードコモンからカソードコモンへ」という2点の変更があり、書籍内の記述、回路図、サンプルファイルが影響を受けています。これらについては、各章の変更点で解説します。
追加された内容について
改訂版で新たに追加された演習は、全て公式サイトで無料配布されている応用PDF内に含まれています。kindleなどの電子書籍版ではこの応用PDFは書籍末尾に含まれています。応用PDFに追加された内容は下記の通りです。おおむね、旧版の補足ページで紹介した内容となっています。
- 7章への追加:小型LCDにカタカナを表示する
これは、旧版の補足情報の7章の解説で紹介した内容です
- 8章への追加:サーボモーターを2個同時に用いる
これは、前回の補足ページにはありませんが、「実例で学ぶRaspberry Pi電子工作」でも取り上げた内容です。26ピンの旧Raspberry Pi Model Bでは実行できない内容です。
- 9章への追加:サーボモーターをブラウザから制御
これは、前回の補足ページにある「(追加コンテンツ)サーボモーターをPCやスマートフォンから角度制御する」の前半部の内容です。サーボモーターを2個制御できるよう、内容をアップデートしています。
- 10章への追加:キャタピラ式模型に搭載したカメラを上下に動かす
これは、前回の補足ページにある「(追加コンテンツ)サーボモーターをPCやスマートフォンから角度制御する」の後半部の内容です。
各章での細かな変更点について
以下では、各章の細かな変更点について記していきます。6章:解説に用いる半固定抵抗の変更
旧版ではArduino Sidekick Basic Kitに含まれる半固定抵抗(スイッチサイエンスさんの「つまみの大きい半固定抵抗」と同じもの)を用いて解説をしましたが、改訂版では秋月電子通商さんの「半固定ボリューム 10kΩ」を用いて解説をしています(パーツセットに含まれるものです)。
この2つは一見そっくりですが、同じ回路を組んだ時にAD変換の読みが大きくなる回転の向きが異なります。
その回転の向きを合わせるため、旧版の回路図と改訂版の回路図では、3.3VとGNDへの配線を逆にしています。
皆さんも、お使いの半固定抵抗の種類に応じて、3.3VとGNDへの接続をどちらにするか選択してください。
これは気づかないと違和感を覚えるであろう部分ですので、ご注意ください。
7章:用いる小型液晶(LCD)の変更
旧版では「I2C接続小型LCDモジュール(8x2行)ピッチ変換モジュール(完成品)」を推奨していました。しかし、ロットの問題により、Raspberry Piでの動作にトラブルが起こるようになったため、改訂版では「I2C低電圧キャラクタ液晶モジュール(16x2行)」に変更しました。
これら2つのLCDに対し、ほぼ同じプログラムが動作します。ただし、改訂版のプログラム中には下記の3行が存在し、コントラスト(文字の濃さ)、横×縦の文字数を変更可能になっています。お使いのLCDに応じて適切に編集して用いてください。8x2の液晶で用いる場合は、2行目の数字を8に変更する必要があります。
contrast = 36 # 0から63のコントラスト。30から40程度を推奨 chars_per_line = 16 # LCDの横方向の文字数 display_lines = 2 # LCDの行数
8.4節:RGBフルカラーLEDの変更
旧版では、Arduino Sidekick Basic Kitに含まれる、アノードコモンのRGBフルカラーLEDをベースに解説を行いました。カソードコモンのものを用いる場合、プログラム中のコメント文の指示に従い、プログラムを編集する必要がありました。
改訂版では、パーツセットに含まれるカソードコモンのRGBフルカラーLEDをターゲットに、解説、回路図、プログラムを変更しています。そのため、デフォルトではカソードコモンのものが動作し、アノードコモンのものを用いる場合はプログラムの編集が必要となっておりますのでご注意ください。
(対象プログラム:08-02-rgbled.py)
8.6節:WiringPi-Pythonのバージョンの変更
旧版では、精度の高いPWM信号(ハードウェアPWM信号)を用いるために、WiringPiというライブラリおよびWiringPi2-PythonというPythonモジュールを用いました。
しかし、WiringPi2-Pythonの開発が終了したため、改訂版ではWiringPi-PythonというPythonモジュールを用いるよう変更しています。
(対象プログラム:08-04-servo.py)
WiringPi2-PythonとWiringPi-Pythonではほぼ同じプログラムが動作しますが、プログラム冒頭のimport文のみ、下記のように変更されています。ご注意ください。
WiringPi2-Pythonを用いる場合のimport文(旧版)
import wiringpi2 as wiringpiWiringPi-Pythonを用いる場合のimport文(改訂版)
import wiringpi
9.5節:RGBフルカラーLEDの変更
8.4節同様、RGBフルカラーLEDはカソードコモンのものを対象に、解説、回路、プログラムを変更しておりますのでご注意ください。アノードコモンのRGBフルカラーLEDを用いる場合、書籍の内容に基づき下記のファイルを編集する必要があります。
(対象プログラム:/usr/share/webiopi/htdocs/bb/03/javascript.jsおよび/usr/share/webiopi/htdocs/bb/03/script.py)
10章:キャタピラ式模型の操作用アプリの改善
10章で用いるキャタピラ式模型の操作用アプリは
- タブレット/スマホの縦/横両方の画面の向きに対応(旧版では縦向きのみ)
- Windowsタブレットでもタッチ動作が可能に
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